今回の山行報告は、石鎚山です。
成人の日の三連休に、新成人を除くメンバーで冬の石鎚を縦走してきました。
西条市の保井野から堂ヶ森の稜線に上がり、西から石鎚山を目指して縦走し、麓の西之川に下山するルートです。
年末の寒波が引いたと思えば、すぐにもっと強烈な“記録的”寒波に襲われた直後で、石鎚といえどもたっぷりの積雪と天候に期待半分、不安半分。
結果として、そんな不安を吹き飛ばすぐらい良い山行となりました。
はじめに、以下、地形図及びコースタイムです。
(一日目)
まず、せとうち周桑バスで保井野集会場へ。バスの中から見る石鎚山脈の景色に心を躍らせるとともに、標高差1200mの登りを上がることを考えてわくわくしています。
携帯電波について、登山口付近の保井野集落では、au,docomoは入らずソフトバンクのみは入りました。
登り始めは。積雪が足が見える程度で少なく、道もわかりやすかったのでサクサク進みます。ヒトのトレースはなく、狐?狸?の跡を追います。
そして、シャクナゲ尾根付近になると、積雪量、傾斜が増え、難易度が増しました。
特に、水吞場を越えた後のハシゴ場付近では、一回生2人は、非常に苦労しました。
しかし稜線上に上がると、そこは、四国を一望できる壮大な景色が待ち望んでいました。
次は、堂ヶ森に向かいます。残念ながら、堂ヶ森の頂上では天候が大荒れでした。
さっそく、今日の泊地である愛媛大学避難小屋に向かいます。
愛媛大学避難小屋の料金は一人500円で、設備・道具がすごく充実していました。
小屋にかけられた温度計は、なんとマイナス12℃を指していました!さすが記録的大寒波ですね。
二日目の長い行程に向けて、早めに就寝しました。
(二日目)
二日目は概ね天候は良好でした。視界は悪い時で20mほどで、時折1000m以上先が見えることもありました。
小屋からは、まず、二ノ森に向かって、緩やかな登りです。道がわかりやすく、二ノ森までは迷うことがないと思います。
二の森からはしばらく、急斜面のトラバースが続きます。時折、地図やコンパスを見ながら、慎重に進む方を判断します。
西之冠岳は稜線上に上がるのではなく、トラバース夏道を選択しました。左手には、西之冠の威風堂々とした岩がその様相を見せます。
雪質は重く、積雪量も胸の高さまであるところもあったので、上手く夏道の上を通るようにルートファインディングしながら進まなければなりません。これも非常に長いトラバースで、なかなか気が抜けません。一時、天候が晴れ、弥山が顔をのぞかせます。部員の士気がゲキ上がりでした。
そして、面河尾根道分岐を越え、二の鎖の階段が見える地点まで来たところで、今までで一番斜度のあるトラバースが現れました。疲労も加わり、ここを通るのは骨が折れました。もう時間も遅く、天候も曇りであったので、山頂は明日の晴れに期待し、二の鎖避難小屋へ向かいます。二の鎖付近は滑落事故が多く、難所であると警戒していましたが、これまでのトラバースと比較すると、難なく下りれました。階段も完全には、雪で埋もれていませんでした。
二の鎖避難小屋の料金は一人500円で、隣に、冬期用の携帯トイレ室がありました。トイレを使用する場合、持参の携帯トイレを使うときは100円を、設置の携帯トイレを使うのであれば500円を料金箱に入れます。
二日目の長い行程で疲れ切った体を休めるために、早めに就寝します。
(三日目)
まずはアタック装備に切り替え、山頂アタックを行います。
山頂まで特に苦労せず、到着。天候は晴れでした。
十分に展望を楽しんだところで、下山です。夜明峠からは天柱石経由で、刀掛、岩原と進みます。
終始トレースがあったものの、積雪量が多くはなかったので滑りやすく、岩、木の根が怖かったですね。また、刀掛付近で、一か所だけ崩落があり、一番の難所でした。加えて、刀掛から成就への道は通行止めとなっていました。
このルートの見どころは、なんといっても天柱石でしょう。天に向かって反り立つ巨石は、石鎚山らしさを感じさせます。
岩原、集落跡を抜け、下山です。大きな怪我もなく、無事でよかったです。
西之川に下りた後は、ロープウェイ駅にある温泉(人がおらず貸し切り)に入りました。
感染症対策に努めながら、帰神です。
今シーズン、山岳部としては八方尾根に続き二度目の冬山合宿でした。八方尾根での反省も活かし、なかなか良い山行でした。個人的ハイライトは、一日目の、樹林帯を抜けて稜線上に出た後の景色です。
文責:城間(1)