2月南アルプス縦走合宿のルートと泊地の決定

                    文:上田

アプローチの19日から長野に入って、20日松峰から入山します。

20日  松峰備考欄
21日仙丈小屋避難小屋として開放
22日仙塩尾根の高望池付近
23日同上体を休めるための計画休息
24日三峰岳手前のp2699付近
25日農取小屋付近雪で埋まっている
26日大門沢小屋
27日奈良田へ下山
悪天候による停滞
を4日ほど想定
泊地一覧

雪の状態や天気の状態によって進める距離は大幅に変わってきますがこのような予定となりました。今回の計画を立てるのに信州大学山岳部、日本大学山岳部、その他のログを参考にしています。

松峰は停泊しているログが多数ありました。

仙丈小屋は冬季は避難小屋として開放されています、とても寒そうですが。

高望池は日本大学山岳部の計画にありました。池は伊那荒倉山の付近にあります。

三峰付近のp2699付近も日本大学山岳部の計画を参考にさせていただきました。このピークは少し平坦になっているらしく、地形図からも確認できます。風が心配ですね。

農取小屋は冬季は雪で完全に埋まってしまっています。風が強いらしく、テント場が無いのはそのためか、という想像をしています。

大門沢小屋は避難小屋、水場は解放されています。コロナで夏場の営業もなかったようです。

それでは行ってきます!大学の許可やコロナの関係でもしかしたら行かないかもしれませんが…

2021/2/3 更新, 2/9 更新

積雪の石鎚山へ

今回の山行報告は、石鎚山です。

成人の日の三連休に、新成人を除くメンバーで冬の石鎚を縦走してきました。

西条市の保井野から堂ヶ森の稜線に上がり、西から石鎚山を目指して縦走し、麓の西之川に下山するルートです。

年末の寒波が引いたと思えば、すぐにもっと強烈な“記録的”寒波に襲われた直後で、石鎚といえどもたっぷりの積雪と天候に期待半分、不安半分。

結果として、そんな不安を吹き飛ばすぐらい良い山行となりました。

はじめに、以下、地形図及びコースタイムです。

(1日目)保井野登山口10:00 → 梅が市分岐14:10 →堂ヶ森避難小屋16:00
(2日目)堂ヶ森避難小屋7:20 → 二ノ森11:20 →面河尾根道分岐16:30 →二ノ鎖元小屋17:20
3日目)二ノ鎖元小屋7:00発→ 弥山7:35着 8:00発 → 二ノ鎖元小屋8:25着 8:55発 →夜明峠9:20 →天柱岩10:10着 10:20発 →刀掛12:50 →西之川BS14:50

(一日目)
まず、せとうち周桑バスで保井野集会場へ。バスの中から見る石鎚山脈の景色に心を躍らせるとともに、標高差1200mの登りを上がることを考えてわくわくしています。

携帯電波について、登山口付近の保井野集落では、au,docomoは入らずソフトバンクのみは入りました。

ー登山口、道は明瞭。

登り始めは。積雪が足が見える程度で少なく、道もわかりやすかったのでサクサク進みます。ヒトのトレースはなく、狐?狸?の跡を追います。

ーシャクナゲ尾根、樹林帯を進みます。

そして、シャクナゲ尾根付近になると、積雪量、傾斜が増え、難易度が増しました。

特に、水吞場を越えた後のハシゴ場付近では、一回生2人は、非常に苦労しました。

しかし稜線上に上がると、そこは、四国を一望できる壮大な景色が待ち望んでいました。

ー梅が市分岐から西をのぞむ。

次は、堂ヶ森に向かいます。残念ながら、堂ヶ森の頂上では天候が大荒れでした。

さっそく、今日の泊地である愛媛大学避難小屋に向かいます。

愛媛大学避難小屋の料金は一人500円で、設備・道具がすごく充実していました。

小屋にかけられた温度計は、なんとマイナス12℃を指していました!さすが記録的大寒波ですね。

二日目の長い行程に向けて、早めに就寝しました。

(二日目)
二日目は概ね天候は良好でした。視界は悪い時で20mほどで、時折1000m以上先が見えることもありました。

小屋からは、まず、二ノ森に向かって、緩やかな登りです。道がわかりやすく、二ノ森までは迷うことがないと思います。

ー二ノ森の山頂にて。

二の森からはしばらく、急斜面のトラバースが続きます。時折、地図やコンパスを見ながら、慎重に進む方を判断します。

西之冠岳は稜線上に上がるのではなく、トラバース夏道を選択しました。左手には、西之冠の威風堂々とした岩がその様相を見せます。

雪質は重く、積雪量も胸の高さまであるところもあったので、上手く夏道の上を通るようにルートファインディングしながら進まなければなりません。これも非常に長いトラバースで、なかなか気が抜けません。一時、天候が晴れ、弥山が顔をのぞかせます。部員の士気がゲキ上がりでした。

ー西之冠岳付近からの撮影。弥山が顔をのぞかせる。

そして、面河尾根道分岐を越え、二の鎖の階段が見える地点まで来たところで、今までで一番斜度のあるトラバースが現れました。疲労も加わり、ここを通るのは骨が折れました。もう時間も遅く、天候も曇りであったので、山頂は明日の晴れに期待し、二の鎖避難小屋へ向かいます。二の鎖付近は滑落事故が多く、難所であると警戒していましたが、これまでのトラバースと比較すると、難なく下りれました。階段も完全には、雪で埋もれていませんでした。

二の鎖避難小屋の料金は一人500円で、隣に、冬期用の携帯トイレ室がありました。トイレを使用する場合、持参の携帯トイレを使うときは100円を、設置の携帯トイレを使うのであれば500円を料金箱に入れます。

二日目の長い行程で疲れ切った体を休めるために、早めに就寝します。

(三日目)
まずはアタック装備に切り替え、山頂アタックを行います。

山頂まで特に苦労せず、到着。天候は晴れでした。

ー弥山から見た天狗岳
ー弥山山頂から南面する部員たち

十分に展望を楽しんだところで、下山です。夜明峠からは天柱石経由で、刀掛、岩原と進みます。

終始トレースがあったものの、積雪量が多くはなかったので滑りやすく、岩、木の根が怖かったですね。また、刀掛付近で、一か所だけ崩落があり、一番の難所でした。加えて、刀掛から成就への道は通行止めとなっていました。

このルートの見どころは、なんといっても天柱石でしょう。天に向かって反り立つ巨石は、石鎚山らしさを感じさせます。

岩原、集落跡を抜け、下山です。大きな怪我もなく、無事でよかったです。

西之川に下りた後は、ロープウェイ駅にある温泉(人がおらず貸し切り)に入りました。

感染症対策に努めながら、帰神です。

今シーズン、山岳部としては八方尾根に続き二度目の冬山合宿でした。八方尾根での反省も活かし、なかなか良い山行でした。個人的ハイライトは、一日目の、樹林帯を抜けて稜線上に出た後の景色です。

文責:城間(1)

2月南アルプス合宿予告!!

                      文:上田

南アルプスへの合宿を計画しております。2月19日から予備日を含めて2月いっぱいまでの10日間を計画中です。コースはまだ全然確定していないのですが、地蔵尾根から仙丈ケ岳に登り、仙塩尾根を経て農鳥を登って奈良田に抜けるつもりでいますが、かなり長いので心配ではあります。本当にこの行程で行けるかどうかも検討の余地があります。

雪の状態や危険個所の洗い出しの作業などやることは山積みです。

また緊急事態宣言の発令により合宿に行けるかどうかすら分からないので悲しい思いです。。

今年も大変な一年になりそうな予感しかしません。

2021年度の新歓情報!!

                    文:上田

どの部活よりも早い新歓情報です!初の共通試験を受けて入学してこられる新入生に向けての情報ですよ~

現段階では対面の新歓祭かオンライン新歓祭か決まっていない状況です。ちなみに去年はオンライン新歓祭でした。

対面新歓祭の場合、各団体が学校のグラウンドにブースを出展して、ビラを配ります。オンライン新歓の場合、新入生には新歓サイトに接続して、そこから各団体の新歓サイトに飛んでもらうことになるでしょう。

まだ決まっていないこともありますが続報をお待ちくださいね。

追記2021/03/05

来年度の新歓際はオンラインで行われることになりなした。直前になればまた詳細の情報がオンライン新歓実行委員会から発表されることしょう。

上空1500m付近の寒気とは

                      文:上田

 この時期になるとよくニュースなどで「上空1500m付近の寒気は~」などという言葉が登場します。あれは実は気象庁が発表している高層天気図に依っています。そして高層天気図はネット上で誰でも見ることができます。高層天気図で検索!

 高層天気図には何種類かあって1500m付近の寒気と言うのは「850hPa 」の天気図で確認できます。高層天気図は、指定の気圧の等圧面が上空何mにあるかという表記方法で気圧を表現します。例えば下図にもあげた850hPaの等圧面はだいたい1500mくらいに相当するというわけです。下の画像には等圧面の記載はありませんが。。。

気象庁より 2021/01/12/0:00(UTC)の実況高層天気図

図がごちゃごちゃしてて分かりにくいですが日本列島は中央右寄りにありますね。そして等温線が引かれています。これで上空の寒気の配置が分かるということなのです。ちなみに地上で雪が降る基準が1500m上空で‐6℃と言われます。それぐらいの寒気があれば地上で雪が降ります。

高層天気図は国際的な情報なのでタイムゾーンはUTCです。なので上の図は12日の朝9時を示しています。ちょうどこの時は南岸低気圧の影響で京阪神では雪が観測されました。四国沖で等温線が北に食い込んでいることや風向きからも温帯低気圧の存在が分からなくもないですよね。

高層天気図はこのほかにも種類が存在し、載っている情報もとても様々です。今回は触れませんでしたが縦の網掛けやWやCの文字にももちろん意味があります。興味があればぜひご自分で調べてみてください。

気温の逓減率とフェーン現象

                         文:上田

気温の逓減率(ていげんりつ)

山は平地よりも気温が低いと言いますね。もちろんそれは事実です。大気圧が低くなっていくために気温が低下します。しかし具体的にどれぐらい低いのでしょうか。高度に対してどれぐらいの割合で気温が下がるのか、それが気温の逓減率です。

気温の逓減率: 0.65℃/100m

です。とても大事な知識です。つまり0mを平地とすると標高1000mの山は平地よりも6.5℃も気温が低いわけです。我々がよくテントを張るような標高2500mだと単純計算で16.25℃も気温が引くなってしまうのです!しかし上空は寒気の流入などの要素が別で絡んでくるのでそんなに簡単な話ではありません。。。

乾燥断熱減率と湿潤断熱減率

フェーンの話をする前にこの乾燥断熱減率と湿潤断熱減率の話をしなくてはいけません。以下で説明していきます。

ここでとある、ある程度の水蒸気を含んだ空気塊を考えます。このような空気塊は実際にもあり得る話ですよね。このような空気塊が何らかの理由で上昇したとすると上空は気圧が低いので空気塊が周りに対して仕事をして温度が低下しますよね。(ちなみに気体は熱伝導が悪いので普通気象学では断熱変化したと考えます。)

この時っ!気温の低下する割合が1℃/100mなのです。こことても重要。これが乾燥断熱減率です。

乾燥してないじゃないか、初めにある程度の水蒸気を含むって言ったじゃないかという意見もあるでしょうがまずは最後まで説明します。次に説明するのが湿潤の方です。

先ほどの続きで気温が低下しながら上昇する空気塊を考えます。気温が低下すると,その空気塊はいつか露点に達して中に含む水蒸気が気体の水、つまり雲の粒などに姿を変えますよね。これ以降空気塊は液体の水を発生させながら上昇するわけです。

この時っ!気温の低下する割合が0.5℃/100m になります。 これも重要

なぜ減率が落ちたのかと言うと、水が気体から液体に変化するときに潜熱と言って熱を出します。このために空気塊を温めてしまうのです。乾燥と湿潤の違いが分かっていただけますでしょうか。

フェーン現象

やっとフェーンの話です。 湿潤な空気が山を越えて反対側に吹き下りたときに、風下側で吹く乾燥した高温の風のことを「フェーン」と言い、そのために付近の気温が上昇することを「フェーン現象」と呼びます。(気象庁より)なぜ風が山を上がって下りてくるだけで昇温するのかが以上の理屈で説明できます。

始め20℃だった空気塊が2000mの山を越える時の一例です。1000m地点で露点に達したとしています。空気塊が山を下りて行くときも同じように温度が上昇します。

ほんの一例

このようにしてフェーン現象は起こるのです。夏に以上に高温になっている地域ではフェーン現象が絡んでいるケースが少なくありません。もちろん北海道でも起こりえます。そんなに珍しい現象でもないんですよね。

以上です!

2020年末 八方尾根合宿の報告

                       文:上田

我々は12月26日から29日、白馬八方で年末合宿を行いました!

テントを張った第二ケルンからの眺め。ケルン本体には息(やすむ)ケルンと書いてある。トイレとほど近い  

天気がよいタイミングもあって、風景は良くて八ヶ岳、富士山も見えました。しかし、積雪が深いのと稜線上の風の強さ、体力的な問題から当初予定していた唐松岳アタックは断念してしまいました… 

27日は第二ケルンから丸山ケルンまでラッセルをしながらで3時間かかりました。その日はそれより上は行っていません。丸山ケルンのすぐ下でロープワークの練習。スノーピケットを打ったり、スノーボラードを掘ったりして訓練しました。

28日は天候不順との予報だったので待機を考えましたが結局アタック。唐松小屋の付近まで登りましたが断念しました。岩稜帯でもロープは出しませんでした。(下写真)

29日はただ帰るだけでした。30日の夜から年末寒波が近づく予報だったので早く下りねばなりませんでした。

唐松小屋直下の岩稜帯。かなり怖い。さらに吹雪で天と地の境が分からなかった。
風対策のために英知を結集させて壁を建設。しかしこの後倒壊します、風で。
第2ケルンから北を見る。白馬岳が見える。

朝は雲海を楽しむこともできました。写真はTwitterにもあがっているのでぜひ。次は遠見尾根から五竜に上がってみたいと思います。

奥に見えるのが五竜岳。その左に伸びるのが遠見尾根

おまけ

天気図による解析をしたかったのです。我々が稜線に上がり、風がとても強かった12時の天気図 この時西風がひどく視界は50mほどだった。

御在所岳 クライミング合宿報告

                        文:上田

かなり前の合宿ですが、11月14~15日で御在所クライミング合宿を行いました!

一の壁の2ルート。ロープは40mくらい出した。上は支点あり。画像はクリック、タップで拡大できます

1日目は2パーティに分かれてそれぞれ一の壁と中尾根を楽しみました。

2日目は部員5人全員で前尾根を挑戦しました!めちゃくちゃ楽しかったです。

中尾根で黄昏る萩原くん
これも中尾根

ぼくは一日目は一の壁のパーティーにいたので中尾根は行っていませんがなかなかタフなコースだったようです。

前尾根の石の塔(ヤグラ)。黄色の服を着た部員が登っているのが見えますか?
和気あいあい、ご飯も楽しみました

来年もまた行きたいですね